市内某小学校の注文の中に、『風が吹くとき』であったので、目を通してみた。
その存在はアニメ化された時に『アニメージュ』で特集されていたので知っていたのだが、その中身については、初めて読むコトになる。作者は、『スノーマン』でも知られる、レイモンド・ブリッグス。その『ほんわか』した画調で、核戦争の恐怖を伝えるのだから、より恐ろしいものである。
今回はネタばれ警告無しアルね。
不幸の根源と言うべきなのは、ブロッグス夫妻があまりに楽天的で、政府を疑わないコトにあるかと思う。
政府発行のパンフレット(注:この本が契機で発行中止に追い込まれる)のとおりに、戦争への準備を進める夫妻の心境は、第二次大戦の頃とあまり変わりの無いものだったかと思う。だが、第二次大戦を終わらせた(と、アメリカは勝手に思い込んでいる)悪魔は、そんな夫妻にも容赦無く襲い掛かります。
髪の毛が抜け、下痢になり、発熱し衰弱していく奥さんと、吐血するご主人の絵が、『ほんわか』画調なためもあり、あまりにも痛々しくなります。町が破壊され、ライフラインが止まり、周りが死の世界になっても、政府の救援を信じて眠りにつく夫妻の先に待つのは……。って、『はだしのゲン』読んでる日本人にはもうわかりきっているコトなのだけど、欧米の人々には衝撃だったと思う。(タチが悪いコトに、急性放射線障害は、高齢者にはより緩慢に影響を与えてくる)
この本の発刊された82年の翌年には『ザ・デイ・アフター』が放送され、西側世界の人々は、MAD(確証破壊主義)の狂気の果てにあるモノに気がつき始めた。また、東側でもサハロフ博士の戦いが多くの人々に知られるようになった。そして、その平和を求める戦いの果てに、ヨーロッパだけは平和になった。だが、悲しむべきは、この狂気を知らない人々がこの地球上にあまりにも多いコトと、そのコトから目をそむけさせるコトに必死になる連中の、その頑迷さが、この地球上の多分半分以上の人々に、真実を伝えないコトに直結しているかと思うと、ずんごく悲しくなるものである。
イスラム至上主義者には、被爆者の写真はおろか、このような絵本すらその存在を許せないのだから。
それでは~。
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